イカ・タコ展覧会&イカ画家展示会 レビュー

この記事では、2015年11月10日(火)~13日(金)開催の展覧会「Treasure Box-科学者たちのイカ・タココレクション展」と、イカだけを描き続ける作家・宮内裕賀さんの展示即売会の様子を写真とともに紹介しています。この2つの展示会は、世界約30カ国からイカ・タコ類の科学者約250名が函館に集結する「国際頭足類函館シンポジウム」の一環として実施される市民向け公開イベントです。まずは、世界各国のイカ・タコ研究者が集うシンポジウムの雰囲気をまずご覧ください。

イベント全体の概要については過去記事「【11/10~13】 イカ・タコ展覧会&市民講演会」でご確認ください。

▼世界各国の研究者が集うシンポジウム

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▲会場は函館国際ホテル。スクリーンに資料や映像を写し出しながら、各研究者が自身の研究内容について発表していきます。ちなみに、すべて英語です。
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▲口頭発表のほか、研究成果を紙にまとめたポスターセッションも行われています。
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▲口頭発表の合間に休憩時間が組まれ、飲み物とお菓子が参加者に配布されていました。

シンポジウムは研究者のためのものなので一般参加はできませんが、会期中の12日(木)に市民向けの講演会が予定されています。詳しくはこちら
さて、研究者たちがひと言も聞きもらすまいと互いの発表に真剣に耳を傾けているこの場所から1本違う廊下を進んだ先で、ユニークな展覧会が開催されています。このシンポジウムに参加している研究者たちが持ち寄った自慢のイカ・タコグッズを展示するという、くだらなくもおもしろい企画です。

▼「Treasure Box-科学者たちのイカ・タココレクション展」

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▲展示会場は、なんと挙式場。一瞬、間違ったかな?と足を踏み入れるのをためらってしまいますが、間違いなくここです。海外からの参加者には喜ばれそうな雰囲気。
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▲展示されているイカ・タコグッズは、美術品・工芸品のたぐいから手作り品、おもちゃ類、雑貨、アクセサリー類まで多種多様。
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▲ガラス製のイカ・タコは色の表現がリアル。
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▲目えちっちゃ!
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▲リアルなイカなのか、イカ型の宇宙人的なものなのか不明……
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▲こっ…これは…イカ型こけし?もしかしたら超レアグッズなのか?
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▲左側にある「函館」と書かれた金色のイカは、耳の上の部分が栓抜きになっています。いったいどこで売っているのか……

▼この展覧会を企画した、ミネソタ大学の中島隆太准教授にコメントをいただきました

イカ・タコの研究者を訪ねていくと必ずイカ・タコのグッズが部屋にあるので、これを集めてみたら楽しいのではと思って企画した。イカ・タコは擬人化しやすいので、グッズが作りやすいという面もあると思う。
幼児は成長段階で、頭から直接手足が生えた「頭足人間」を描くことが知られているが、人間の初期段階の自己認識がそのようなものであるとすれば、そもそも人間はイカやタコに親近感があるのかもしれないと考えている。

▼イカだけを描き続ける作家・宮内裕賀(ゆか)さんの展示即売会

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▲宮内裕賀さんは鹿児島の出身。釣り上げられたイカの美しさに魅かれ、それ以来イカをテーマとしたあらゆる作品を制作し続けています。

近所のおじさんが釣り上げたアオリイカがとても美しく、それまでは食べ物としてしか認識していなかったのに、色が変化する様やまるで地球外の生物のような姿などに引き込まれました。それでいて、食べてもおいしいですし。
それまでも絵を描いていましたが、イカを描いてみたら自分の中で一番しっくりきたので、イカを描き続けています。――宮内裕賀さん談

宮内さんは今年、港祭りに合わせて初めて函館を訪問。イカ踊りに参加するとともに、鹿児島生まれのためにそれまで実際に見る機会のなかったスルメイカ(真イカ)を観察したといいます。その時の景色をもとに描いたのが、上の写真右端の一枚。漁り火が輝く函館の夜空を泳ぐスルメイカが描かれています。手前に大きく見える白黒の絵は、イカ墨で描いた絵画。イカ墨は画材としても使いやすく、水で薄めることで濃淡を表現しているそうです。
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▲シンポジウムに参加している研究者たちも興味シンシン。

▼グッズ等の販売コーナーも

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▲受付ブースの並びに、グッズどの販売コーナーがあります。
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▲イカ・タコの本が並んでいます。
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▲国際シンポジウムのオリジナルTシャツとトートバッグ。
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▲Tシャツは、五稜郭とイカをデザインしたシンポジウムのロゴマークを背中に配した黒と、イカとタコを研究者に見立てたイラストの赤。赤のTシャツのイラストは、日本人の先生がその昔、国際学会参加中に落書きとして書いたものだとか。
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▲トートバッグも赤Tシャツと同じイラスト入り。本やTシャツ、トートバッグは、在庫があれば一般来場者も購入できます。

市民向け展覧会・イカ画家展示会、および市民向け講演会の開催日時・時間等については、こちらの記事「【11/10~13】 イカ・タコ展覧会&市民講演会」でご確認ください。

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佐々木康弘

佐々木康弘

ライター、時々カメラマン。物を書いたり写真を撮ったり、それらを編集したりすることを仕事にしています。函館市内と近郊で、年間100件ほどのイベントに足を運んでいます。編集企画室インサイド代表。