映画『函館珈琲』プレミア上映 レポート!

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2016年夏公開の映画『函館珈琲』が、函館港イルミナシオン映画祭でいちはやく上映されました。この記事では、前日に続いて2度目の上映となった2015年12月5日(土)の様子を、来場者や関係者の声を交えつつお伝えします。

なお、Twitterの埋め込みを使用しているため、表示が遅く感じることがあります。特にスマートフォンの場合は、2,3秒待ってからスクロールしていただくと見やすいかもしれません。

▼いきなり上映時間が変更になるも……

この日の上映は正午からのはずだったが、上映の少し前に司会者から「一部のお客さまに12:30とお知らせしていたため、12:30から上映します」とのアナウンスが。30分間席に座って静かに待たなければ、とみんなが思ったその時、シナリオ大賞の審査員を務めるプロデューサーの河井信哉さんとこの作品のプロデューサーを務めた俳優の小林三四郎さんがステージに登壇。函館と映画のかかわりやこの映画について、打ち合わせなしのフリートークを始めた。
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「函館は、2時間の映画(で必要なシーン)を全部撮れる街」「空港に近くて便利」「5分で海に行けて10分で山に行ける街なんかなかなかない」「街並みもあるし。あれをセットで作ろうと思ったら大変」「市民が映画を撮ることに慣れてる(ので協力的)」など、いかに函館は映画を撮影するのに適しているかを力説。話は止まらず、上映時刻ギリギリまでトークが続いた。

▼映画『函館珈琲』とは

函館で毎年12月に開催される「函館港イルミナシオン映画祭」で2013年函館市長賞(最優秀賞)を獲得した映画用シナリオ「函館珈琲」を映像化した作品。同映画祭では毎年映画用シナリオを募集しており、全国から良作が寄せられる。これまでにシナリオ大賞から映像化された長編作品は、『函館珈琲』を含めて6作品となる(ほか、テレビドラマなど4本)。
【キャスト】黄川田将也 片岡礼子 中島トニー Azumi 小林三四郎 あがた森魚 夏樹陽子
【監督】西尾孔志 【脚本】いとう菜のは 【企画】函館港イルミナシオン映画祭実行委員会

▼『函館珈琲』あらすじ

函館にある古いアパートを舞台に、心にそれぞれ陰を持ちながらものづくりなどに取り組む3人の若者。そこに主人公が新たに加わることで、彼らの日常と心に少しずつ変化が生じる。そして、主人公も自分が何をしたいのかを見つめなおす……。ものすごく簡単に言うとこんなお話。

函館の街の中に佇む古い西洋風アパート「翡翠館」。 オーナーの萩原時子(夏樹陽子)は翡翠館を仕事場兼居住スペースとして開放し、若い才能を後押ししている。 101号にはガラスを加工したとんぼ玉の職人、一子(片岡礼子)。 102号にはテディベア作家の相澤(中島トニー)。 104号にはピンホールカメラの写真家、佐和(Azumi)。

そして空き家の103号に、東京から桧山英二(黄川田将也)がやってくる。 彼はここ翡翠館で古本屋を開くのだという。 函館の短い夏を翡翠館の住人と過ごす中で自分自身を見つめ直す桧山。

彼が本当にやりたいのは、古本屋ではなかった。 コーヒーの香りと函館の澄んだ空気の中で、住人たちはゆっくり前に踏み出していく。―― 映画『函館珈琲』公式サイト

▼『函館珈琲』を鑑賞した人の声

▼函館イベント情報局担当者の感想

「函館の映画だから、またゆったりした時間が流れる映画なんだろうなあ」という予想は大体当たっていましたが、函館ファンタジーではなく、「いかにも函館ならありそう」という地に足の着いた感じがする作品です。登場人物たちもそれぞれに何かを抱えているものの、心の闇が深刻に描かれることもなく、最後まで観ると少しだけ明るく、幸せな気持ちになれます。

その一方で、結構重要と思われる部分で幾つか説明不足に感じるところがありました。人間同士はお互いにすべてをさらけ出して生きているわけではない、ということの表現なのかとも思いますが、映画祭パンフレットの「ストーリー」の欄には映画を観てよくわからなかった部分がすべて書かれていました。これを含めて、シナリオで説明されている部分が映像化にあたって結構カットされているのかな、と感じます。 とはいえ、役者さんの力のある演技にぐいぐい引き込まれる作品です。特に、演技初挑戦だという歌手のAzumiさんには驚かされました。函館市民と函館好きは一度観ておいていい作品です。

▼上演後はほぼフルメンバーで舞台挨拶

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▲左から、あがた森魚さん、夏樹陽子さん、Azumiさん、片岡礼子さん、黄川田将也さん  

美術監督の小澤秀高さんも、「海猫」「わたし出すわ」といった函館ロケ作品を手がけ、2011年に亡くなった森田芳光監督を引き合いに出しつつ、「この函館から何人もの映画人が育っている」と熱弁。 「今回は予算もないので、全部函館で手配すると覚悟して取り組んだ。あそこ(主要な舞台となる翡翠館)にあるものは、全部函館にあるものです。純・函館産で映画ができたことをうれしく思います」

▼会場内には映画に登場する小道具が展示された

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▲雑然としているようだが、すべて登場人物に深いかかわりのある「物」

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▲この看板も、映画のどこかで登場する

▼函館珈琲のロケ地はどこ?

主人公たちが暮らす、不思議な構造のアパート(というか家)は、明治時代に建てられた「旧松橋商店」(函館市大町8-26)。使われなくなって取り壊し目前だった建物を2014年に有志がリノベーションし、当時の面影がまったくないほどに改装された建物を当時の姿に復元。建物の名前も「港の庵」と名付けられ、バル街の会場などとして活用されている。 道路に面した前面が店舗のたたずまいとなっており、その裏側には土蔵(屋内にある)や事務室などの部屋がある。


▲2014年11月のツイート

▲修復工事完了直後の姿

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▲ラスト近くに写る、1階店舗部分(改装工事中の2014年9月撮影)

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▲管理人と主人公が話す、店舗2階部分(撮影時期同上)

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▲主人公が住む土蔵(撮影時期同上)


▲旧松橋商店「港の庵」は、2015年度の函館市都市景観賞に選ばれた

▼『函館珈琲』は2016年夏公開予定!

映画『函館珈琲』公式サイト

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佐々木康弘

佐々木康弘

ライター、時々カメラマン。物を書いたり写真を撮ったり、それらを編集したりすることを仕事にしています。函館市内と近郊で、年間100件ほどのイベントに足を運んでいます。編集企画室インサイド代表。
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