【レビュー】新選組子孫・函館に集結「HAKODATE新選組ファンミーティング」

新選組の子孫5人が函館に集結してトークライブなどを開くイベント「HAKODATE新選組ファンミーティング」が2018年5月19日(土)・20日(日)の両日開催されています。この記事では、19日にGスクエアで開催されたトークライブの様子をご紹介します。

イベント概要はこちら▼

【2018/5/19・20】HAKODATE新選組ファンミーティング
イベント名/HAKODATE新選組ファンミーティング 開催日/2018年5月19日(土)、20日(日) 会場/シエスタハコダテ4...

今回参加したのは、(下の写真左から)井上源三郎、近藤勇、土方歳三、中島登、永倉新八のご子孫。トークの内容をごく一部ご紹介します

●近藤勇の兄の子孫、宮川清蔵さん
・近藤勇が捕らえられた時に、隊士2人(野村利三郎・相馬主計)もともに捕らえられたが、近藤が「彼らに罪はないので助けてやってくれ」と言ってくれたので解放されたとの証言がある。彼らはその後函館まで来て戦った

・土方は朱塗りの胴を付け、面の紐も赤くして長く垂らしていた。チャラチャラした奴かと思ってなめてかかるととても強く、特に「諸手突き」をかわせる者は道場内でもなかなかいなかった

●中島登直系・5代目、中島岳大さん
・中島登は27歳で新選組入隊を希望したが、長男なので当所は近藤に断られた。どうしてもということで入隊を許されたが、戦闘部員ではなく諜報活動に4年間従事した。その間に奥さんに出て行かれてしまった

・剣の腕は強く、土方歳三と同じ「中極意目録」を取得している。鳥羽・伏見の戦い以降は先頭に加わっているが、「幾多の戦闘をくぐり抜けてきたが傷もなく無事だ」と父親に書き送っている


●土方歳三の兄から6代目、木村千恵さん
・こうして新選組の子孫が函館に集結している様子をご先祖さまが見ていたらどう思うかと考えたら胸がいっぱいになった。今でこそ「新選組、新選組」と言われるが、戊辰戦争終結後も新選組の身内の者は迫害を受ける大変な時期を過ごしてきた。土方家でも、身内に累が及ぶのではないかとの心配から、手紙や文書を焼いたり井戸に捨てたり、歳三の名前を改ざんしたりしてきた過去がある。

・近藤勇が斬首という武士として屈辱的な最期を遂げたこともあって、新選組隊士たちは何としても歳三の遺体を官軍の手に渡してはならないと密かに埋葬し、誰もそれについて書き残すことも言い伝えることもなかった。戦争終結後しばらくしてから、土方家を訪ねてくださる元隊士の方もたくさんいたが、やはり誰一人として土方の遺体の行方については話さなかった。

・土方歳三の骨を故郷に戻したいと望む方もいらっしゃるが、(この戦争で)故郷に帰ることができずに亡くなった方は歳三だけではないので……という気持ちもある。


▲子孫たちのトークに聞き入るヒジカタ君

◆演武

▼近藤勇や土方歳三らが習得していた実戦向きの剣術「天然理心流」の演武


◆展示

▼中島登が描いた「戦友絵姿」を引き延ばしたパネルも展示された

▲結構有名な、和装の土方歳三肖像。年を重ねるにつれて温和になり、赤子が母を慕うように周囲の者に慕われた、と書かれている


▲こちらも展示された品。新選組の袖章と土方家に伝わる石田散薬の説明書き。土方歳三も若い頃は石田散薬を売り歩いたとされる


▲天然理心流3代目で近藤勇の養父・近藤周助の名が書かれた手紙も展示された

◆物販

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▲ヒジカタ君自らヒジカタ君グッズを販売



▲普通に売り子をするヒジカタ君

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▲受付をしていたスタッフさん


▲GLAYのレリーフの前でTERUポーズを取ってくれたヒジカタ君。函館時代の土方歳三なら、部下に頼まれたらノリノリでやってくれたんだろうなあという気がする

【感想】今までまったく話されたことのない新事実がこのトークショーの場で明かされる、ということはあり得ないため、来場者の大半を占めていた遠方からのファンにはすでに知っている情報ばかりだったのかもしれないが、聖地・函館に子孫が集結して話すことには大いに意味があると思う。個人的には、「絵を描いた人」のイメージしかなかった中島登が実は剣も強く、しかも諜報部員だった話が興味深かった。質の点でいえば、5人そろうよりも1人か2人がテーマを絞ってトークするほうが良いと思われるので、いずれそういう企画も期待したい。

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佐々木康弘

佐々木康弘

ライター、時々カメラマン。物を書いたり写真を撮ったり、それらを編集したりすることを仕事にしています。函館市内と近郊で、年間100件ほどのイベントに足を運んでいます。編集企画室インサイド代表。