2015年5月30日放映のNHK総合「ブラタモリ」で、函館にある青函連絡船記念館「摩周丸」船内に残る鉄道の線路が紹介されました。
▲函館港に浮かぶ青函連絡船記念館摩周丸
番組内では、地上の線路からそのまま船内へに貨物列車を引き入れて積み込んだ「車両甲板(しゃりょうこうはん)」というエリアにタモリさんが降りて見学する様子が放映されていました。
「函館に行ったらぜひ見たいなー」と思われた方もいらっしゃったことと思います。
ですが、残念ながらそれはできません……。
車両甲板(中略)は、ほぼ原型をとどめているのですが、見学はできません。なぜ入ることができないのかは、そもそも博物館船として改造する際に、これらの公開をまったく考慮しなかった、ということにつきます。
摩周丸サイトの説明によれば、健康上の問題(アスベスト)や安全上の問題から、一般公開の可能性は将来的にもかなり難しいようです。
▲摩周丸グリーン船室。ここも非公開で、外の遊歩甲板から窓越しにごく一部だけ見ることができる
でも、あきらめることはありません。
残念ながら、直接入って見学することはできませんが、車両甲板、第一主機室、総括制御室の3か所にネットワークカメラを設置し、展示室のパソコンから遠隔操作(パン、チルト、ズーム)して大型モニターで見ることができます。
最近導入されたカメラにより、安全を確保しながらモニター上で非公開エリアである車両甲板を見学することができるようになりました。これは朗報ですね。
でもやっぱり直接見てみたい……という方へ。
そんな場合は、函館と青函連絡船で結ばれていた青森市へどうぞ。
▲青森市にある青函連絡船メモリアルシップ八甲田丸
東京・お台場にあった羊蹄丸が解体されてしまった今は、国内で展示されている青函連絡船は函館の摩周丸と青森の八甲田丸の2隻のみ。函館の摩周丸では見られない「船の中の線路(レール)」がある車両甲板は、青森の八甲田丸では一般見学コースに入っています。
▲線路上に列車を停めた状態で展示されているため、船内に列車が積まれていた当時の様子が容易にイメージできる
ただし……
八甲田丸は今年いっぱい船体などの改修工事を実施しているため、6月末までは車両甲板の一部が立ち入りできなくなっています。制限区域は工事の進行状況によって随時変わるとのことなので、見学を計画する際は事前に公式サイトにてご確認ください。
▲函館の青函連絡船記念館摩周丸では撤去されてしまっている、駅から連絡船への線路(引込み線)もメモリアルシップ八甲田丸には残っている
▲お台場の羊蹄丸に展示されていた、就航当時の様子を再現した人形たちも八甲田丸に移された
かつては青函連絡船で結ばれ、2016年3月には新幹線で結ばれる函館と青森。かつての主役であった青函連絡船について学ぶには、函館と青森の両方を訪れてみるのが良いようです。
▼参考サイト
ブラタモリ
函館市青函連絡船記念館摩周丸
青函連絡船メモリアルシップ八甲田丸
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佐々木康弘
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