函館の真冬の花火大会「函館海上冬花火」で毎年話題となるのが、「いったいどこから見れば良いか」。そこで、実際にいろいろな場所に出かけてみて景色を見比べてみようではないかというのがこの記事です。各スポットの評価コメントもつけていますので、参考にしていただければ幸いです。
撮影:2016年2月6日~10日
▼主観覧エリア
夏の花火大会でもおもな観覧場所となる、摩周丸に近い岸壁(豊川埠頭)。移動販売車による食べ物・飲み物の販売もある。
▼花火を打ち上げる台船のほぼ正面になるため、横の広がりを楽しめる。花火との距離もかなり近く、迫力満点。ただし写真には不向き。ほとんどの花火がフレームからはみ出る。
▼移動販売車によるフードブース
▼旧桟橋付近
ウイニングホテル向かい、熊の形の「北海道第一歩の地碑」の隣にある、海上に突き出た東浜桟橋跡。桟橋は通常立ち入り可能だが、花火打ち上げ時は黄色いテープで入り口を封鎖され、警備員が監視しているため立ち入りできない。
【追記】その後、桟橋の前に低い柵のようなものが設置されました。
▼ライトアップされた摩周丸と花火との競演が楽しめるが、花火の台船をほぼ真横から見る形となるため、横に広がりのある花火はやや重なりあって見える。桟橋に立ち入れないため、隣の「北海道第一歩の地碑」の小さな敷地や、函館西波止場裏の新島襄像付近などから見ることになる。
▼元町公園
公園の西側半分(階段状の部分)の最上部付近から見ると、さえぎるものがないため花火の全体を見ることができる。全体的な眺めの良さと、空いているので落ち着いて見られること、トイレが開いていること(公園端のトイレ)など、好条件がそろっている。
▼五稜郭タワーまで見渡せる眺めの良さ。台船を斜め後ろから見る形になるため、横に広がりを持って打ち上げられる花火もだいたい形がわかる。唯一の問題点があるとすれば、三脚を立てた写真愛好家がずらりと並ぶため、撮影せずに純粋に花火鑑賞に来た場合にはその中に入っていきにくい雰囲気があるかもしれないこと。
▼摩周丸
函館冬花火に合わせて開館時間を延長。船内からガラス越しに観覧できるほか、積雪・凍結による危険性が低いと判断された場合は船前方の甲板(屋外)に出て高い位置から花火を見ることができる。
▼操舵室真上のコンパス甲板に上って海面に目をやると、打ち上げの台船がすぐ近くに見える。打ち上げ場所を見下ろす形になるため、花火が筒から放たれた瞬間から夜空に花開くまでの一部始終をはっきりと肉眼で見ることができ、その迫力に圧倒される。この近さと角度で鑑賞できるのはここが唯一であり、入館料(大人500円)を払う価値は十分にあると言える。ただし、寒さ対策は万全に。
▼西埠頭
函館湾の端に位置する埠頭。主観覧エリアのほぼ対岸にあたる。埠頭の先端部分はゲートで封鎖されているため車での立ち入りはできないが、ゲート手前の岸壁などに車を停めて車内から見ることも可能。ただしそれほど駐車スペースがあるわけではないので注意。
▼前述のゲート付近から見ると、緑の島とかぶることなく花火の全体を見ることができる。主観覧エリアの反対側となるため、横に広がりのある花火もきれいに全体像が見られる。岸壁に車を停めることができれば、車内から花火を正面に見ることができる特等席に。ただし暗いので、徒歩も車も岸壁から海面への落下事故には十分注意が必要。
【西埠頭からの写真提供 / 宮田一人】
2017年の函館海上冬花火は2月8日(水)から12日(日)まで。
佐々木康弘
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