【レビュー】8/31終了「はこだてグルメガーデン」の惜しかったポイント  

7月1日から62日間にわたって開催されたフードイベント「北海道新幹線開業記念 はこだてグルメガーデン」。8月30日は台風の影響で中止となりましたが、最終日の31日は無事開催され、21時をもって幕を閉じました。

▼最終日とあって混み合う会場
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▼最終日のステージには「函館ベンチャーズ」が出演。あのテケテケサウンドで会場を盛り上げる
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▼花火の打ち上げでフィナーレ
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さて、函館では近年例のないロングランイベントが終了したということで、函館イベント情報局として、このイベントについて多少なりとも感想や評価のようなものを書いておきたいと思います。

【悪かった点】

1.はこだてグルメガーデンの中に「はこだ☆テリア」と7月の土日だけ開催の「北海道うまいもんサミット」があり、「はこだ☆テリア」の中にはさらに「七厘百個祭」とそれ以外の出店があるという構造がわかりにくかった。

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▲この構造を正しく理解していた人は、関係者以外にはほとんどいなかったのでは。

「七厘百個祭」は、札幌の会社が昨年地元で開催した企画を一部改変して函館に持ち込んだもの。企画側としては同じ名称を使うことに何らかの意図があったのでしょうが、来場者には「名前がいっぱいあってわかりにくいイベント」という印象を少なからず与えたようです。

2.食べ物が少なくて高かった。

道内各地からの出店があった7月の週末を除けば、あまりにも店が少なすぎました。七厘を使わない場合の選択肢が極端に少なく、食事といえるのはラーメンとMARUSENのカレーまたはガレットくらい。MARUSENは安い上にボリュームたっぷりで、期間中何度もお世話になりましたが、高くて貧弱なラーメンには閉口しました。

▼やってて良かったMARUSENさん
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関係者の話を総合すると、七厘百個祭にお客さんを集中させたいという思惑により、意図的に店を少なくしたという面もあったよう。しかしながらそれは必ずしも功を奏さなかったようで、会場の様子をよく知る方は「ゲートから入って来て会場を一周し、買うべきものがないなという感じでそのまま会場を出ていくお客さんがかなりいた」と教えてくれました。

▼七厘以外のブースは、基本的に4軒のみ
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目玉として位置づけた七厘百個祭の、高級路線一辺倒な姿勢も疑問でした。いくら道産の肉を使っているとは言えあまりにも量が少ない上に値段は高く、市民が気軽にリピートできる内容とは思えませんでした。高級路線も必要なことだとは思いますが、質より量を取りたい人の選択肢がなかったのは残念です。

▼これで合計4,500円。2人分にしてもかなり少なめで、全然足りない。さらに飲み物や他のフードを買うと、2人で1万円くらいはあっという間に飛ぶ
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【良かった点】

1.函館駅前広場に七厘を並べて肉などを焼いて食べるという、これまでにない企画そのもの。
2.大型の上屋がかかった客席が用意されたこと。
3.会場専用のwi-fiが設定されていたこと。
4.道内各エリアからの出店。グルメサーカスでは道南以外からの出店はないので、かなり新鮮だった。これだけでもまた開催して欲しいくらい。

▼週替わりで道内各エリアからの出店があった「北海道うまいもんサミット」
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【まとめ】

「北海道新幹線開業記念事業の一環である以上、いつでもどこでもやっているようなイベントではいけない」という思いが強いあまりに、それにとらわれたのが今回の「はこだてグルメガーデン」だったのではないかと考えています。

七厘百個祭の「北海道の食材を焼き、有名シェフの味付けで食べる大人のバーベキュー」というコンセプトは他との差別化が図られていてとても良いものでしたが、それにともなって値段は高くなり、イベントらしい手頃感はなくなりました。

また、七厘百個祭を中心に据えることでそれ以外のフード販売が手薄になり、イベント全体としての魅力は低下してしまいました。

「『美食の街・函館』をイメージした屋外レストラン」といううたい文句も良いとは思いますし、ひとつの打ち出し方だと思います。ただ、個人的には、たっぷりの肉や魚をドラム缶のコンロで焼いてわいわいと食べるような、「『漁師の町・函館』をイメージした番屋風焼き処」だったら、もっと楽しかっただろうなと思っています。

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文句ばかり付けているようですが、7月は毎週、8月も何度か会場に行き、いろいろな物を食べてかなり楽しませていただきました。函館では近年例のない、2カ月間ぶっ通しのイベントとあって、関係者の皆さまのご苦労と疲労も相当なものだと推察します。終了後の作業も多々残っていることとは思いますが、まずは62日間お疲れさまでした。

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佐々木康弘

佐々木康弘

ライター、時々カメラマン。物を書いたり写真を撮ったり、それらを編集したりすることを仕事にしています。函館市内と近郊で、年間100件ほどのイベントに足を運んでいます。編集企画室インサイド代表。