森町「鷲ノ木遺跡」でストーンサークルを見てきました

世界遺産登録された「北海道・北東北の縄文遺跡群」の構成資産には含まれなかったものの、「関連資産」と位置付けられている北海道森町の「鷲ノ木(わしのき)遺跡」。道内最大規模の環状列石(ストーンサークル)で知られています。

通常は公開されていませんが、8月から期間限定で週末に見学会が開催されていたため、さっそく参加してきました。
※緊急事態宣言に伴い、8月28日から中止されています。10月に再開する予定とのことです

◆環状列石を見学

集合場所は森町役場。マイクロバスに乗り換え、遺跡を目指します。

バスは遺跡のすぐそばまで行きますが、少しだけ手前で降りて、縄文人が歩いた道を歩いて遺跡に向かう体験もできます。今回は歩いてみることにしました。

こちら、縄文人が歩いた(かもしれない道)。環状列石は少し高台にあり、周囲の地形から見てここを通ったのではないかと推測されるとのことでした。

山道を数分歩くと、急に視界が開けました。これがうわさの環状列石。

外周の直径は約37m×34m。およそ600個の石がほぼ円形に並べられています。いずれも角のない丸みを帯びた石で、およそ1km離れた川から運んだと推測されるそうです。

よく見ると円が二重になっているのも特徴的。内側の石は寝かせてあり、外側の石は立てるように並べられています。

すぐそばから当時の墓地が見つかっていることから、弔いや祭祀の場と考えられているとのこと。周辺から当時の集落跡が見つかっていないことからも、ここが生活を送る場ではなく、特別な場所だったことが想像できます。

こちらの写真は2011年に撮影された遺跡の全景(JOMON ARCHIVESより)。厚い火山灰に覆われていたことから、非常に保存状態の良い状態で発掘されたそうです。右上、色が違う小さい円形の部分はお墓(竪穴墓域)です。

前述の通りこの遺跡がある場所は高台になっており、駒ケ岳を望むことができます。立冬の時期には、駒ケ岳の真ん中から朝日が昇る位置関係にあるそう。縄文人にとって、何か意味があったのかもしれません。

◆森町遺跡発掘調査事務所へ

森町の遺跡から発掘された遺物などを展示する「森町遺跡発掘調査事務所」。ぜひとも実物を見たいお宝があり、遺跡の見学が終わってから寄ってみました。

まずは土器を見学。

見学を始めてすぐに、楽しい土器ばかりなことに気付きました。

リアルな縄目を立体的に表現した意匠と技法、現代にも通じるものが。

ものすごく美しい渦巻き。線に迷いが見られません。上端の「ねじねじパン」みたいな装飾もGood。

卍のような謎の線画。非常に独創的。

そして一番驚いたのがこちら。

徳利です。これは誰が何と言っても、とっくり。日本酒を入れて熱燗にしていたとしか考えられないような造形です。

この土偶も、以前どこかの展示でお目にかかって以来、大好きです。大胆な渦巻き模様を施した体と、とぼけた目と口、そして猫のような耳。最高です。

そしていよいよ、ここに来た最大の目的とご対面。

その名も「イカ型土製品」。人型ではないので「土偶」ではなく「土製品」。「鐸形(たくがた)土製品」と呼ばれる釣鐘状の土製品の一種と位置付けられています。イカ型の土製品が見つかったのは、国内で森町だけ。とても珍しいので、見る価値ありです。

◆見学について【注意】

●鷲ノ木遺跡

・見学会が開かれる際を除き、通常は見学できません(団体見学は要相談)

・緊急事態宣言に伴い、9月30日までは見学会・団体受け入れとも休止

・見学会は10月から再開予定

●森町遺跡発掘調査事務所

・緊急事態宣言に伴い、9月30日まで臨時休館

・通常は土日祝日休み

詳細は「北海道・北東北の縄文遺跡群」サイトの鷲ノ木遺跡

森町「ストーンサークル」ページ新着情報

をご確認ください。

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佐々木康弘

佐々木康弘

ライター、時々カメラマン。物を書いたり写真を撮ったり、それらを編集したりすることを仕事にしています。函館市内と近郊で、年間100件ほどのイベントに足を運んでいます。編集企画室インサイド代表。
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