初開催「函館新花火」超徹底ガイド! 実行委員長の俳優に「注目ポイント」全部聞いてきました

イベント情報

函館の夜空に、この夏、新たな花火が打ち上がります。その名も「函館新花火」。

とはいうものの、「誰が何の目的で企画したの?」「有料なんでしょ?」「緑の島から花火見るの危なくない?」などなど、いろいろ疑問も多いはず。

というわけで、企画者の西田圭佑さん(海鮮処 函館夜市 店主)と共に、エンターテイメント全般をプロデュースする俳優の三木崇史(たかふみ)さんに、イベントにかける熱い思いを聞いてきました。


▲土方歳三コンテスト優勝時の三木さん

その前に、まずは開催概要をおさらい。

「函館新花火」開催概要

日時 2025年8月31日(日)開場11:00、ステージ開演13:00、花火19:00~

会場 函館市「緑の島」特設会場

内容 日中から夜まで楽しめる新感覚の花火大会

  • 多彩なグルメ屋台による飲食販売
  • 参加型コンテストステージ(コスプレ、ダンス、幕末)
  • 人気コスプレイヤー来場
  • 三木崇史プロデュースによる迫力の殺陣芝居
  • 和楽器、三味線、太鼓などの演奏
  • クライマックスは音楽とシンクロする約3,300発の花火が夜空を彩る幻想的な光景

チケット 一般芝生席 3,000円(当日 3,500円)、VIP椅子席 10,000円(当日 11,000円)※ローチケにて発売中⇒ https://l-tike.com/event/mevent/?mid=759936

注目ポイントをもっと詳しく!

ちょっと文字だけではまだイメージがつかみにくいぞ! と正直自分でも思ったので、実行委員長の三木さんに直接聞いてきました。


▲黒のラッピTシャツに黒のジャケットがかっこいい

――今回の「函館新花火」は今までと何が違うのか、教えてください。

三木さん
三木さん

緑の島に観覧席を設けて花火をするのは史上初ということもあり、花火とエンターテイメントのコラボレーションという「歴史的初めて」の価値を打ち出しています。コスプレ、ダンス、幕末コンテストという3つの参加型コンテストを設け、現代の人気文化と教育と歴史を組み合わせることで、これまでにない新しい価値観を創造したいと考えています。

――夕方からはさらに盛り上がりそうですね。

三木さん
三木さん

18時から、私がプロデュースする「函館の歴史を紹介する殺陣芝居」を上演します。殺陣芝居には生演奏を入れ、LEDの大型画面で役者の表情も抜く“フェス感覚”。続いて18時半からは和太鼓や三味線の生演奏が会場を盛り上げ、花火の前にはカウントダウン。花火の打ち上げ最中も津軽三味線と和太鼓がステージで鳴り響く。体全体で味わってもらうイメージです。

――花火の前座的にお芝居や演奏をするのかと思っていましたが、前座というイメージと違いますね。

三木さん
三木さん

私が目指すのは、「お客様を巻き込むような演出」です。単にステージを見て「わーっ」と盛り上がれるだけでなく、観客席でもさまざまな演出を展開します。例えば殺陣芝居では、お客様がまるで戊辰戦争の戦場にいるかのような臨場感を味わえる演出を計画しています。

そうやって花火の前から会場が「わっ」と沸き立つようなエンタメを楽しんで、そのテンションのままドン。お年寄りも子どもも思わず立ち上がるような、昔ながらの祭りの一体感をエンターテインメントとして実現したいんです。「五感で感じるエモーショナルな体験」を提供したいですね。

「函館新花火」誕生の経緯

――この企画に至るまでの経緯を教えてください。

三木さん
三木さん

2019年の「土方歳三コンテスト」で優勝してから、函館で何かできないかと動いていた時期に、居酒屋「夜市」を紹介いただき、店主の西田圭祐さんと出会いました。年も近く、函館を盛り上げたいという熱い気持ちが一致して、以来ずっと連絡を取り合ってきたんです。

――そこから今回の開催に。

三木さん
三木さん

今年初めに「大きなことをやる」と西田さんから連絡があり、「三木さんのエンタメの思いを形にしませんか」と函館新花火の企画に誘っていただきました。私自身は函館新花火制作委員会の委員長として、ステージプロデュース、演出、演目構成など、エンタメ部分の統括――“エモーショナルを届ける役目”を担当しています。

――コロナ禍で計画が止まったこともあったそうですね。

三木さん
三木さん

はい。本当は2020年に函館でイベントを実施する予定でしたが、全部ストップに。そこで方針転換して、その後は年2回ほど函館に通い、出会った方々と話し、観光名所やイベントの現状を知ることに時間をかけました。地元の人間ではないからこそ、函館の良さを人一倍理解しようと努めてきました。

――今までの積み重ねがあっての「函館新花火」だと。

三木さん
三木さん

そうですね。その間、函館で私を応援してくださった方が何人か亡くなられたのも大きくて。2021年に亡くなられた北海道坂本龍馬記念館の三輪館長に「土方歳三コンテスト」出場を勧められ、背中を押されて優勝できた経緯も含め、いろんな方に託された思いを強く感じています。応援してくれた皆さんが残してくれた「函館を盛り上げてほしい」「函館をよろしく」という言葉が、私の中で今回のイベントを動かす大きな原動力になっています。

気になることまだまだあります

――参加型コンテストの手応えは?

三木さん
三木さん

応募は着々と来ています。8月1日から函館入りしてご挨拶回りをしているのですが、飲食店やカフェでも「インスタで見ました」「あの企画ですね」と声をかけられることが増えました。認知は進んでいますが、「具体的に何をするの?」という壁はあるので、コツコツ広げていきます。

――緑の島に観覧席を設けて安全なのかという声もあります。

三木さん
三木さん

その部分は西田さんが中心となり、春ごろから警察や警備会社、花火師さんと何度も打ち合わせを重ねています。どの範囲なら安全かを厳密に測定し、市からも正式な許可を得て開催されます。安全性の確保を最優先しています。

――有料の花火大会は函館で初めてです。有料化についての考え方は。

三木さん
三木さん

花火師さんも命を懸けて花火を上げていますし、あらゆることにコストがかかっています。がんばっている人に正当な対価を払うため、「なんでもタダ」という感覚を少しずつ変えていきたいというのが西田の考えです。

都会では高額な有料席が当たり前になってきていますが、地域性や、初回で内容が見えない段階であることなども考慮し、今回の価格(前売り:一般席 3,000円、VIP席 10,000円)にしました。これでも高いという声はあると思いますが、その一方で私を応援してくださる各地の方が予約してくれていて、経済効果の面でも手応えを感じています。私の両親も、地元の福岡からこのために初めて函館に来てくれると言っています。まずは「行ってよかった」「行けばよかった」と思ってもらえる体験を提供し、来年以降の集客へとつなげたいと考えています。

――三木さんご自身のプロフィールをあらためて教えてください。

三木さん
三木さん

出発点は裏方で、映画監督の付き人や舞台づくりなどのスタッフをしていました。師匠(監督)の逝去を機にプレイヤーの道へ。日本史が好きで殺陣を習い、坂本龍馬の兄の子孫・坂本匡弘さんとの出会いを経て「日本橋龍馬会」で活動を広げました。2年後に土方コンテストで優勝。その後は舞台や海外でのショー、公式コスプレヤー、モデルなどをしながら映画・ドラマにも少しずつ出演し、並行して制作・企画・プロデュースもやってきました。

これからは映画・ドラマへの出演に力を入れ、知名度を高めることに取り組んでいきます。影響力があれば、今回のような企画への信頼が増し、経済効果にもつながる。港まつりでTERUさんの姿を間近に見て、強く実感しました。

 

実は2026年が本番?

――初回開催に向けての覚悟を。

三木さん
三木さん

今回は言わば「0回目」だと思っています。自分の思いをショーやエンタメに乗せて、やり切る。反省点は出るでしょうが、99%ダメでも、1%可能性があるなら賭ける。私はいつもそう公言しているので、今回もその考え方でいきます。

――じゃあ今回1回やって終わりではないと。

三木さん
三木さん

最初の企画段階からそう決めていました。2026年秋に函館新花火をやると。でも、いきなり来年1発ドンとやるより、今年一度体感してもらって、「2回目につながる」形がいい。来場された方が「行ってよかった」とほかの人に伝えてくれて、輪が広がることを目指します。

――最後に、読者へメッセージを。

三木さん
三木さん

ほかにはなかなかない演出やプランを詰め込んでいます。会場みんなで盛り上がって、クライマックスに花火。心に響く音で、緑の島で“ひとつ”になりましょう。

――ありがとうございました。

まとめ

この「函館新花火」は、ただの花火大会ではありません。観客を巻き込み、会場一体となって盛り上がるエンターテインメントです。

もちろん、緑の島から打ち上がる花火は、離れた場所からでもその光を見ることはできます。けれど、この「函館新花火」の本当の魅力は、夜空を彩る光そのものではありません。

殺陣の剣先が風を切る音、太鼓の鼓動が胸に響く感覚、観客の笑顔と歓声が波のように広がっていく瞬間――それらが重なり合い、花火の一発一発に命を吹き込むのだと思います。

離れた場所から見えるのは、あくまで“光”。
けれど会場で味わえるのは、“物語”です。
その場に立つ人だけが感じられる熱、音、匂い、そして一体感。

だからこそ、この日この時、緑の島でしか生まれない夏の記憶を、五感に刻んでみませんか?