函館を拠点に全国と世界各国を飛び回って演奏活動を行ってきた「トラベリングバンド」ひのき屋の20周年記念ライブが2018年6月3日(日)に開催されました。
会場は、函館市船見町の高龍寺。
普段は1年に一度足を運ぶかどうか……という感じですが、訪れるたびに山門の彫刻に見とれてしまいます。
さて、ライブ会場はお寺の境内。
山門の内側がステージ代わりになり、来場者は広い境内に思い思いに座ります。
山門の正面にあたる本堂(写真右奥)の階段も客席に早変わり。お寺の境内がライブ会場になるこの景色、最高です。
14時、お坊さんによる梵鐘の突き鳴らしとに合わせて演奏がスタート。
ひのき屋は、和太鼓や篠笛といった和楽器と、ギター・鍵盤ハーモニカ・ウッドベースなどの洋楽器を中心にしたバンド。曲調も曲のスタイルも幅広く、特定のジャンルにくくることができない「ひのき屋サウンド」を作り出します。
お客さん参加型の曲も多く、どんな会場でもすぐに一体感が生まれるという特徴も。
ひのき屋は函館で活動を始めて20年になりますが、函館出身のメンバーは一人もおらず、北海道教育大学函館校の卒業生を中心に結成されたのが始まり。
イベント情報局の佐々木は結成5年目頃に初めてイベントで生演奏を聞き、保育園くらいの子どもたちが立ちあがってノリノリになっているのを見て、「すごい人たちだな」と思ったのを覚えています。当時やっていた個人のサイトに写真と感想を書いたら、メンバーからコメントをもらったような覚えも。それから15年経ってもいまだに「すごい人たちだな」と思っています。
ちなみに、スタッフさんによると今日のお客さんの中には「20年前の結成当時から見ていた」という方や、ひのき屋メンバーよりも早く会場入りして席を取っていた方もいらっしゃったとか。いかに熱心なファンが多いかの表れですね。
ひのき屋は小学校や幼稚園などで演奏する機会も多く、地元の子どもたちにもよく知られた存在。2014年からは学童保育所「ひのてん」も運営しています。この日のライブでも、「ひのてん」の子どもたちが率先してライブを盛り上げたり、太鼓の腕前を披露したりする場面がありました。
そんな子どもたちにも負けないくらい元気なひのき屋の皆さん。
ひのき屋と言えば、毎年8月に元町公園で開催される「はこだて国際民俗芸術祭」をゼロから立ち上げた功績でも知られています。この日のライブでも芸術祭のバーが出店し、カクテルやビールなどを提供していました。収益は芸術祭の運営に宛てられるとのこと。今年は8月5日から11日までの開催です。
真夏を思わせる日差しの中、ひのき屋20周年ライブは盛況のうちに終了。「またこの場所でやりたい」と話すメンバーに向かって住職が手で大きくマルを作って掲げていたので、次回もきっとあるはず。
住職はイベント情報局の佐々木にも、「今後もいろいろ楽しいことをやっていきたい」と話してくださいました。現在函館では、「お寺がイベント会場になる」「お寺がイベントを開く」という新たな波が次第に大きくなりつつあります。これが地域にとってどんな効果をもたらすのか、楽しみです。
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佐々木康弘
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