【5月6日10:30更新】
道による休業・19時以降酒類提供自粛の要請期間が5月15日まで延長されたのを踏まえて、追記修正しました
【4月25日2:55更新】
24日に函館市から詳細が発表されたのを踏まえて、追記修正しました
函館市が4月23日(木)に発表した、飲食店等に一律30万円を給付する新型コロナウイルス感染症緊急対策について、「誰がもらえるのか」「もらえる条件は」「いつからもらえるのか」などを解説します。
この記事の要約は、下記の図の通りです。
◆市の支出は7.9億円
今回発表された緊急対策の総額は268億7,556万円です(予定)。
このうち260億円は国と道の支出金で、その大半が1人あたり10万円の定額給付金に充てられます(計255億円)。
このため、函館市が直接支出するのは7.9億円となります。
なお、総額268億超の緊急対策は「第1次補正分」とされており、感染症の収束状況などを見極めて「第2次」の緊急対策が執行される予定です。
第2次についても、今回の市の支出分を上回る規模を考えているとのことです。
◆目玉施策は休業支援金の上乗せ
函館市が支出する7.9億円のうち、3.1億円が事業者への直接支援に充てられます。
正式には「函館市事業者等特別支援金」。
道による休業要請対象施設と飲食店、ホテルに対し、一律30万円の給付となるよう、道の支援金への上乗せや市独自の給付を行います。
【最重要事項】
北海道または函館市独自の支援金を受け取るためには、
指定の期間中に感染拡大防止に協力していたこと(下記の図を参照)
がわかる店頭告知チラシやメニュー、それらが入った施設の写真、自社のホームページの写しなどが必要となります。
それらの証拠がないと、基本的には支援金を受け取れません。
事業者 | 感染拡大防止協力の内容 | 期間 |
休業要請対象施設 | 休業 | 4月25日~5月15日 |
酒類の提供がある飲食店 | 19時以降の酒類提供自粛 | 4月25日~5月15日 |
酒類の提供がない飲食店 | 休業または三密・接触感染防止などの対策をした上での営業 | 遅くとも4月28日~5月6日 |
宴会場などがないホテル・旅館 | 休業または三密・接触感染防止などの対策をした上での営業 | 遅くとも4月28日~5月6日 |
北海道「休業等の要請にご協力頂き感染リスク低減に取り組む事業者の皆様への支援金のお知らせ」(pdf)より
▼給付イメージ
以下にもう少し詳しく説明します。
▼函館市の支援金の対象
【1】「道による休業要請の対象施設」
【2】「飲食店」
【3】道による休業要請の対象に含まれない「(小規模な)ホテル・旅館等」
の3つに分かれます。
以下にそれぞれのケースについて解説します。
※誤解されがちですが、飲食店は休業要請の対象になっていません
※道による休業要請の対象になっているホテル・旅館等もあります(詳細は省きます)
【1】道の休業要請の対象施設について
まず、道が休業要請している施設は下記の通りです。※具体的な業種名は一例です
遊興施設等 |
キャバレー、ナイトクラブ、ダンスホール、バー、スナック、性風俗店、個室ビデオ店、ネットカフェ、漫画喫茶、カラオケボックス、勝馬投票券発売所、場外車券売場、ライブハウスなど |
運動、遊技施設 |
体育館、水泳場、ボーリング場、スポーツクラブ、マージャン店、パチンコ店、ゲームセンターなど |
劇場等 |
劇場、映画館、演芸場など |
集会・展示施設 |
集会場、展示場、貸会議室、多目的ホール、博物館、美術館、図書館、記念館、動物園、植物園、ホテルや旅館(集会の用に供する部分があるもの)など |
商業施設※ |
ペットショップ、住宅展示場、古本屋、おもちゃ屋、DVD/ビデオレンタル店、スポーツグッズ店、スーパー銭湯など |
大学・学習塾等※ |
大学、専修学校、自動車教習所、学習塾、音楽教室、体操教室など |
文教施設 |
幼稚園、小・中学校、高校、特別支援学校など |
※床面積100平方メートル以下の施設は除く(感染防止対策の徹底を依頼)
北海道「休業要請等について」より
4月25日追記【重要】
道が4月24日に公表した回答集(pdf)により、休業要請施設の一覧を見るよりも、「休業要請を行わない施設」の一覧(pdf)を見たほうが良いことが判明しました。「休業要請を行わない施設」の一覧に記載されていない施設や店舗は、基本的に休業要請の対象施設(=支援金の対象)と見なされます。
「休業要請を行わない施設」の一覧に記載されていない施設や店舗(=休業要請施設)が遅くとも4月25日から5月15日まで(延長されました)の期間に休業した場合、
道は支援金として
法 人 30万円
個人事業者 20万円 |
を支給します。
【重要】当初の要請期間(5月6日まで)だけ休業し、5月7日以降営業を再開した場合は、支援金を受け取れません。
☆函館市の緊急対策
個人事業者に10万円の支援金を上乗せします。
これにより、道の支援金と合わせて
法 人 30万円
個人事業者 30万円 |
となり、法人・個人事業者一律で30万円を受け取れるようになります。
【重要】函館市の支援金は、道の支援金受け取り対象者として認定されている事業者に上乗せされます。よって、道が求めている休業期間(4月28日~5月15日)中、休業している必要があります。5月7日以降営業を再開した場合は、道の支援金・函館市の支援金両方とも支給されません。
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【2】飲食店
まず、飲食店に対する道の支援金について。
対象 | 酒類の提供がある飲食店 |
条件 | 4月25日から5月15日(延長されました)までの期間に19時以降の酒類の提供を自粛すること※ |
支援金 | 法人・個人事業者を問わず一律10万円 |
※この期間に休業した場合も「19時以降の酒類の提供を自粛した」とみなされます
上記の通り、もともと酒類を提供しない飲食店は道の支援金の対象になっていません。
次に、函館市の支援金について。
業態 | 期間 | 条件 | 支援金 |
酒類の提供がある飲食店 | 4月25日~5月6日 | 19時以降の酒類の提供の自粛 | 20万円 |
酒類の提供がない飲食店 | 4月28日~5月6日 | 感染症防止対策への協力※ | 30万円 |
※感染防止対策への協力は、「三密」や飛沫感染、接触感染の防止などの対策をしたうえでの営業、もしくは臨時休業です。詳しくは後述します。
【重要】函館市独自の支援金は、「5月6日までの協力」で確定する方向です。
これらの上乗せにより、酒類を提供しているかどうかにかかわりなく、飲食店が一律30万円を受け取れるようになります。
【重要】移動販売車、露天商、宅配・テイアウウト専門店は支援金の対象となりません
【3】ホテル・旅館など
道の支援金は、宴会場など多くの人が集まる部屋を備えた宿泊施設にのみ支給されます。
これに対して、函館市の支援金は、道の支援金の対象にならないホテル・旅館にも独自に一律30万円を支給します。
市が用意する「観光客の皆さんへの重要なお願い」の紙を宿泊者に説明して渡す、三密の防止など感染防止対策に協力することが条件です。
感染防止対策への協力は、「三密」や飛沫感染、接触感染の防止などの対策をしたうえでの営業、もしくは臨時休業です。詳しくは後述します。
▼感染防止対策への協力とは
酒類の提供がない飲食店、および宴会場などを備えないホテル・旅館が函館市独自の支援金を受けようとする場合に求められる「感染防止対策への協力」は下記の通りです。
【発熱者等の施設への入場防止】
○従業員の検温・体調確認を行い、37.5度以上や体調不良の従業員の出勤を停止
○来訪者の検温・体調確認を行い、37.5度以上や体調不良の来訪者の入場を制限
【3つの「密」(密閉・密集・密接)の防止】
○店舗利用者の入場制限、行列を作らないための工夫や列間隔の確保(約2m間隔の確保)
○換気を行う(可能であれば、2つの方向の窓を同時に開ける)
○レイアウトの変更(席の間隔を空ける、ついたての設置)
【飛沫感染、接触感染の防止】
○従業員のマスク着用、手指の消毒、咳エチケット、手洗いの励行
○来訪者の入店時における手指の消毒、咳エチケット、手洗いの励行
○店舗・事務所内の定期的な消毒
【移動時における感染の防止】
○ラッシュ対策(時差出勤、公共交通機関の利用抑制など)
○従業員の出勤数の制限(在宅勤務の実施など)
※ホテルの場合はこれに加えて、宿泊者に対する「重要なお願い」の周知・説明
ここまでが、函館市の緊急対策の目玉である事業者への一律30万円給付の解説です。
▼申請開始時期などについて
申請開始時期は、どれだけ早くても5月7日に始まる市議会以降となります。
▼問い合わせ先
○函館市の支援金については 函館市経済部経済企画課
21-3100、21-33370
平日8:45~17:30、土日祝日9:00~17:00
○道の「休業協力・感染リスク低減支援金」の申請については
北海道休業協力・感染リスク低減支援金お問い合わせセンター
011-351-6469
8:45~17:30、6月14日(日)までは土日も開設、それ以降は平日のみ
開設期間 5月15日(金)から8月31日(月)まで
◯「休業協力・感染リスク低減支援金」の申請以外についての問い合わせは
休業要請相談専用ダイヤル
011-206-0104、011-206-0216
8:45~17:30
対策内容はほかにも数々ありますが、この記事では関心度が高いと思われる感染拡大防止対策などについてのみご紹介します。
◆感染拡大防止と検査・医療体制の強化
函館市の予算を投じて、感染拡大防止と検査・医療体制の強化にも1.9億円を充てます。
おもな項目は……
○マスク70万枚の購入 2,510万円
医療機関や福祉施設に配布
○マスク・消毒液購入の助成 1億341万円
学童保育所・障害者福祉施設・学校給食関係施設などでのマスク・消毒液購入費用を助成
○PCR検査機器等の購入 730万円
市立函館保健所のPCR検査機器を1台から2台に増やします
○人工心肺装置と防護服の購入 894万円
市立函館病院の人工心肺装置を2台から3台に増やします
緊急対策の概要は一覧で函館市が公表しています。
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◆質疑応答抜粋
4月23日の函館市長記者会見での質疑応答から、目立った部分を抜粋します。
記者 GWの過ごし方についてメッセージを
市長 函館で観光できる場所はほとんどないと言っても過言ではありません。市の駐車場は、五稜郭周辺、函館山のふもと、西部地区もすべて閉鎖しています(※25日から)。
市民の皆さんにも、三密を避けていただく、不要不急の外出を控えるように要請しています。 観光客の皆さんも、函館に来ていただいても、はっきり言って見て歩く場所もありませんし、ホテルにただ滞在しているだけになりかねません。大都市から地方へ感染が拡大している中で、むやみに函館に来ることについてはご遠慮いただきたい |
記者 道の支援金についてどう受け止めているか
市長 決して十分な額とは言えないが、47都道府県の中で一番財政が苦しい北海道としては精一杯だったんではないのかなと。それ以上言っても仕方がないし、東京都をうらやんでもしょうがないし、みんなでやることをやるだけだなとしか思いません |
記者 一律30万円で足りると考えるか
市長 ここですぐコロナが収まれば同じような対策を取る必要はないと思うが、その見極めは付いていません。報道によれば、事業者の多くが人件費と家賃の2つの固定負担で苦しんでいるとされている。このうち人件費は雇用調整助成金で大部分助成される(※中小企業10分の9、大企業4分の3)。あとは家賃の部分が補填されれば、負担がだいぶ和らぐ。この点については国で与野党ともに必要性を感じて協議をしており、第2次補正予算に乗せていきたいとのことなので、その推移を見守りたい |
記者 市民にメッセージを
市長 できるだけの対策は打っていきたい。国も一生懸命だと思うし、北海道もそうです。なんとか事業者に生き残っていただきたいとの思いは同じだと思います。 どんな制度があるかわからない方もいると思うので、困った時は市役所に連絡してください。事業者だけでなく個人の方も、どんな状況でもとにかく、市役所に連絡してくださいと切に申し上げたい |
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【リンク】
函館市事業者等特別支援金について(新型コロナウイルス感染拡大防止対策) (函館市)
新型コロナウイルス感染症の流行により影響を受けている事業者の方へ (函館市)
函館市新型コロナウイルス感染症緊急対策について (函館市)
休業要請等について (北海道)
「休業協力・感染リスク低減支援金」について (北海道)
基本的に休止を要請する施設の一覧 (北海道)
必見! 基本的に休業要請を行わない施設の一覧 (北海道) ※この一覧にない店舗・施設は休業支援金が出ます
休業要請等についてのよくあるお問い合わせ (北海道)
必見! 休業要請等についてのよくあるお問い合わせ(4月24日追加分) (北海道)
休業協力・感染リスク低減支援金に係るQ&A (北海道)
佐々木康弘
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