4月22日(土)に開業した「シエスタ ハコダテ」が大変なにぎわいを見せる中、そこから徒歩3分ほどしか離れていないグルメコート「五稜郭ガーデン」も23日(日)で開業1年半を迎えました。ゆっくりしたペースながら出店者も増え、少し希望の光が見えてきたかと思っていましたが、残念ながら現実はそうではなかったようです。
再三にわたる開業時期延期の末、2015年10月23日にわずか1店舗(地中海バル・リーガ)で開業し、多難な前途を予想させた「五稜郭ガーデン」。その後、「地中海バル・リーガ」と同じ経営によるたこ焼き店「大阪やき三太」、ハワイ料理店「うぃんどはなれぃむーん」、海鮮料理店「FRESH DELIS CAFE TODOS」が年末までにオープンし、NCVサテライトスタジオと合わせて計5店舗になりました。
2016年にはラーメン店「あっぱの里」と、「うぃんどはなれぃむーん」の姉妹店がオープン。今年に入ってからはワインバー「Mirage(ミラージュ)」がオープンし、計8店舗になったはずだったのですが……。
▼さっそく現地へ
▼入口前にはテナント名が書かれたあんどんが
▼4月21日からスタートした、テラスでのジンギスカン食べ飲み放題の告知も。2時間食べ飲み放題4,000円で、17:00~22:00、21:00ラストオーダー。月曜定休。予約電話番号は080-5722-1100。10月31日まで営業するとのこと
▼こちらがジンギスカン席。屋根があるとはいえ実質的に屋外。ストーブは用意されている
▼営業しているお店は――
▼2階「うぃんどはなれぃむーん」と、1階「ハナレィムーン五稜郭店」。経営は同じで、2階は日替わりランチやハワイ料理、パンケーキなどを提供。1階はエステのお店。2階まで階段を上るのが大変な方には、1階に料理を運んでくれるサービスも実施しているとのこと。ランチパスポート参加店ということもあり、お昼時は地元客が多く訪れる
うぃんどはなれぃむーんFacebook
▼無化調ラーメンを掲げる「あっぱの里」。11:30~LO14:30、17:00~LO20:30、
日曜日は11:30~LO14:30のみ営業。木曜定休
▼ワインバー「Mirage(ミラージュ)」。20:00頃~3:00頃の営業。日曜定休
▼そして、突き当りにあるNCVオープンスタジオ。契約や相談などに応じるサービスセンターの機能も備えている。大型ビジョンではNCVの番組を放映
五稜郭ガーデン内で現在営業している店舗は、上記5店舗。飲食店舗はこのうち3店舗
▼一方で寂しい光景も――
▼五稜郭ガーデンの開業当初から営業していた「地中海バル・リーガ」。というより、同店のオープン日を五稜郭ガーデンの開業日にしたと表現するほうが正しいが……
▼入口には「一時休業」の貼り紙が
▼経営者が同じだった「大阪やき三太」も同様に「一時休業」。この2店舗は昨年末から休業しているとのこと
▼椴法華の網元直送の魚介を提供するとの触れ込みだった「FRESH DELIS CAFE TODOS」は「閉店」。大門に2号店を出したと思ったら1号店を閉めてしまった
結局、2015年末の5店舗からこれまでに3店舗増えたものの、同じく3店舗が休業もしくは閉店してしまい、プラスマイナスゼロという結果に。営業中の各店舗は懸命に奮闘していると思うが施設としての体力はなく、「シエスタ ハコダテ」開業という絶好の好機を十分に生かすことができたとは言い難い。ちなみに、この記事を書いている時点では公式サイトやFacebookにこれらの店の休業や閉店の告知はない
【4月25日追記】この記事を書いた後で、公式サイトから「FRESH DELIS CAFE TODOS」の情報が削除され、「地中海バル・リーガ」「大阪やき三太」は「休業中」に変更されました
▼ちょっとした不思議も
▼函館の老舗フリーマガジン「ダテパー」4月号に掲載された五稜郭ガーデンの広告。「地中海バル・リーガ」「大阪やき三太」「FRESH DELIS CAFE TODOS」の計3店舗を居抜き物件としてテナント募集している。
だが、「地中海バル・リーガ」と「大阪やき三太」は建前上は休業のはず……。次に入る入居者を探しながら店頭には「休業」と貼り出したままなのは、あまり良くはない
【所感】今回オープンした「シエスタ ハコダテ」のフードマーケットは地域の店で全区画が埋まりました。出店者一覧を見ながら「五稜郭ガーデンと何が違ったんだろう」と少し考えていたら、ある可能性に気付きました。
「五稜郭ガーデンは、シエスタ ハコダテに出店者を取られたのではないか」と。もちろんシエスタが横取りしたという意味ではなく、出店者が五稜郭ガーデンよりもシエスタに魅力を感じたという意味においてです。シエスタに出店を決めた企業のうち少なくとも幾つかは、条件やタイミングさえ合えば五稜郭ガーデンに出店していてもおかしくなかったはず。シエスタ出店者の中には、過去に五稜郭ガーデンとかかわりのあった店舗や企業もありました。結果論ですが、ディーン&デルーカの企画力と、テナントリーシングの営業力を見せ付けられた思いがします。
五稜郭ガーデンはせっかく2億円もかけて建てた施設なので、活かされて欲しいとの思いを持つ人は多いはず。私自身も、あの施設が店でいっぱいになってにぎわう光景を見てみたいと思っていますし、まだまだ無理ではないと感じています。あの場所とあの施設は、うまく回ればすべてが好循環になるポテンシャルは持っています。
批判するのが目的ではないのでぐだぐだと言うつもりはありませんが、「いつも正直に真実を市民に伝える」「テナントに約束したことはきちんと果たす」。五稜郭ガーデンを運営するまちづくり五稜郭がこの2つを徹底していけば、また違った光も見えてくるのではないでしょうか。
佐々木康弘
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