イカ塩辛ラーメンをついに実食!塩ラーメン「最後のピース」を見つけた気がする

イベントレビュー

グルメワンダーパーク函館で「イカ塩辛ラーメン」なる新メニューが出る――そんな記事を北海道新聞で読んだのがきっかけでした。けれど、正直ちゃんと読み込んでいなかったので、どんなラーメンなのか想像がつかない。イカの塩辛をラーメンに? まずいとは思わないけど、果たしておいしいのか……?

初日、会場のブースに並んだ宣材写真にはレンゲに載ったイカ塩辛がドーン。さらに赤いミニトマトがちょこん。お腹はすでにバーベキューで満たされていたこともあり、なんとなくスルーしてしまいました。でも帰宅後、どうにも気になって仕方がない。これはやっぱり食べなきゃいけない。

2日目、朝からスタンバイ

そう決めた私は翌日、イベント開始前からブース前に陣取りました。開始と同時に「イカ塩辛ラーメン」を注文。ほどなくして丼が登場。

目を引くのはやはりレンゲに盛られたイカ塩辛。その隣にミニトマト、白髪ねぎ。そして奥には火の通った塩辛とシャキシャキ玉ねぎ。麺は加水率低めのストレート細麺。実は私はあまり好みではないタイプの麺なんですが、最近の新しいラーメン店でよく見かける。つまり、多くの人に受け入れられている証拠。きっと研究を重ねた末にこの麺に決まったのでしょう。

ブースのボードで知ったこと

食べる前にブースのボードを眺めてみると、驚きの情報が。「ラーメン一杯にイカ塩辛を55グラム(およそ240円分)使用」とある。さらに「アヒージョ的なラーメン」という表現まで。なるほど、そういう発想か! 塩辛とオリーブオイルが組み合わさると知り、期待が一気に膨らみました。

まずはスープをひと口

熱い。いや、熱すぎる。朝から暑かったこともあり、湯気で顔が熱気に包まれる。でも、口に含んだ瞬間に伝わってくる「ただの塩ラーメンとは違う旨み」。麺をすすれば、その旨みが麺に染み込み、じんわりと広がる。

問題はレンゲのイカ塩辛。いつ投入するのが正解なのか? 味変を狙って後半に溶かすのか。いや、スープが減った後では濃くなりすぎるかもしれない。迷っても仕方がないので、序盤からためらいなくスープに投入。

旨みが爆上がり

これが大正解。発酵食品ならではのまろやかな旨みがスープに溶け込み、味が一段深まる。しょっぱすぎることはなく、むしろ優しい。シャキシャキ玉ねぎもアクセントになり、レンゲを持つ手が止まらない。

正直、疑ってごめんなさい。これは新発明かもしれない。いや、塩ラーメンに足りなかったピースが、ここでハマったんじゃないか。

発酵食品の力

味噌ラーメン、醤油ラーメン。どちらも「発酵食品由来の旨み」を持っている。だから深みがある。けれど塩ラーメンは発酵していない。ただの塩。あっさりしている半面、「パンチ不足」と言われやすい。

でも、そこに「イカ塩辛」という函館が誇る発酵食品が加わることで、一気に旨みの三次元化。幅も奥行きも高さも出る。醤油や味噌ではこうはならない。塩と塩辛だからこそ成立する相性。まさにベストパートナー。

作り方を教わる

食べ終えた頃、弟子屈ラーメンのハッピを着た“偉い感じのおじさん”に感想を聞かれました。新聞によると、レシピを考案したのは弟子屈ラーメン。じゃあ関係者だ。せっかくなので、今語ったような「発酵食品ピース論」を熱弁。観光客に受けるはず、駅前で出したら人気になるはず、若い人には絶対刺さるはず――そんな話をしました。

するとおじさん、意外にも作り方をさらっと伝授してくれまして。「イカ塩辛とニンニクをオリーブオイルで炒め、そこに和だしを注ぐだけ」。え、そんなにシンプル? まさかの和だしベース。食べているときは全く気づかないくらい、塩辛の旨みが圧倒的でした。

函館の新名物になるか……?

新聞記事には「希望するラーメン店にはレシピを提供」とありましたが、問い合わせはまだ少ないそう。ただ、函館の「社」では提供が決定。まだ半信半疑の店が多いのかもしれません。でも私は思います。これはガチで名物になり得る。いや、むしろ他地域の目ざといラーメン店にパクられる前に「発祥は函館」と大きな声でアピールすべきだと。

こうして私の「函館イカ塩辛ラーメン」初体験は幕を閉じました。

結論。これは、函館塩ラーメンの未来を変えるかもしれない一杯です。