【フォトレポ】卒業生も見たことがない場所公開!? 遺愛学院本館一般公開に行ってきた

イベントレビュー

少し前の話ですが、2025年7月21日(月・祝)に開催された「遺愛学院本館一般公開」に参加してきました。はい、あの建物です。もう入口に向かう時点でワクワクが止まらない。

遺愛学院の本館には、だいぶ前に何かの機会で入ったことはあったんですが、今回は「今まで見られなかったものが見られるらしい」とのこと。そんなの聞いたら、そりゃ胸ふくらませて向かいますよね。

CMや映画などの映像作品にもよく登場する遺愛学院本館。この階段、今から30年前のポッキーのCMで使われたことでおなじみ(?)。在校生の皆さんには「古っ!」って言われそうだけど、我々には懐かしさの破壊力がすごい。

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卒業生も知らないお部屋……?

最初に案内されたのがこのお部屋。隅のひとつがどーんと舞台になっていて、ぐるっと囲むように客席スペースが広がっているんですよ。

ここ、遺愛の卒業生のみなさんも在校時代には入ったことがない場所。というか、当時は存在しなかった空間。なぜなら、その頃は壁で区切られて教室になっていたから……という驚きの事実。

舞台の上から客席を見るとこんな感じでまたいい雰囲気。

遺愛学院本館は、ある程度古い時期に、この部屋みたいな広い空間をバッサリ区切って教室にしたり、階段をつぶして別の部屋を作ったりと、いろいろ手を加えられてきたそう。つまり、当時の生徒数や状況に合わせて改装していたわけです。

ところが2018年から今年にかけての保存改修工事では、「原則として建築当時の姿に戻す」という方針で工事が行われ、この部屋もいくつかの教室に分かれていた状態から、当時の姿へと復元されたという流れ。

そんな歴史があったとは……。なんだか、卒業生も見たことのない景色をただの一般人が見せていただいていいのか、ありがたいような、申しわけないような、不思議な気持ちになります。

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教室にも入ってきましたよ

続いて、生徒の皆さんが実際に勉強している教室も見せていただきました。

意外とこじんまり。落ち着くサイズ感です。

▲こちらはスチーム暖房のラジエーター。細かな装飾が施されていて、さりげなくおしゃれ。昔のものって、なんでこう味があるんでしょう。

校史資料室「ハリスルーム」初公開

今回(2025年7月)の一般公開で初めて一般にお披露目されたのが、遺愛学院の創設者ハリス夫妻の名を冠した校史資料室「ハリスルーム」。

ハリスルームの入口には、何やら由緒ありそうな看板が。聞けば、1907年の建設当時に本館内に設けられた応接室に掛けられていたものだそう。今回の改修工事で発見され、校史資料室の看板として再び日の目を見ることに。

その「ハリスルーム」に一歩足を踏み入れると、貴重な品々がずらりと並んでいて圧巻。

実際に使われていた家具類をはじめ、校内で使われていたさまざまなものが展示されています。

貴重な記録文書の数々も。

太平洋戦争開戦の12月8日の校内日誌と、終戦の8月15日の校内日誌が開いた状態で展示されていました。開戦の日は何行も書いてあるのに……

終戦の日は「八幡宮に参拝に行く予定を取りやめた」くらいしか書かれていない。そのギャップが逆にリアルで、言葉よりも状況を物語っている感じ。

そのほか……

いつもは外から見ることしかできない正面玄関の内側から外を見たり。

改修前は増築された壁に隠れて見えなかった1907(明治40)年の礎石を間近で眺めたり。

あらためて、「さすが国指定重要文化財」。歴史の重みを全身で受け止めながら、じっくり見学させていただきました。

この記事を書いた人
佐々木康弘

ライター、時々カメラマン。物を書いたり写真を撮ったり、それらを編集したりすることを仕事にしています。編集企画室インサイド代表。

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