2025年8月31日(日)に函館・緑の島で開催された、函館初の有料花火大会「函館新花火」。
有料席を買って緑の島内で観覧した人の「すごく良かった」という声と、緑の島の外から見た人の「短かった」という声。
両極端な意見だけが流れていて、「本当はどうだったか」があまり共有されていないように感じます。
ということで、緑の島内で観覧してきた写真と一部動画、感想をまとめておきます。
花火打ち上げまでの盛り上がりがスゴイ
函館新花火は、単に「有料席を設けた花火大会」ではなくて。
実は「エンタメと花火を組み合わせた函館初の花火大会」でした。
日中は、「最高の写真1枚」で審査するコスプレコンテスト、ダンスコンテスト、そして幕末コンテストを実施。
そして18:00から、ステージショー。
まずは、東京の役者さんたちと函館の芝居組「虎」の皆さんによる迫力の殺陣芝居。
演劇的なきれいな殺陣じゃなくて、敵味方入り乱れての乱戦。
舞台上だけじゃなく、緑の島を広く使ったダイナミックな演出で臨場感たっぷりに箱館戦争の世界を描いていました。
オープニングクレジットで、出演する役者さんたちのお名前が流れたのもかっこ良かったです。
続いて登場したのは、和太鼓奏者の田村幸崇さんと津軽三味線奏者の菅野優斗さん。
後ろにそびえるクルーズ船と、鳴り響く太鼓と三味線。緑の島ならではの不思議な光景。リズムに乗って、会場のテンションもどんどん上がってきました。
おふたりの演奏が終わると共に、クルーズ船が離岸。光り輝く船体が、ゆっくりとステージ後方を過ぎていきます。
これはスゴイ。マジかっけぇ。こんな光景、なかなか目の前で見られるもんじゃないです。
そしてステージショーの最後に登場したのは、全国各地で演奏活動を行う「井戸端シアター」の皆さん。
公式サイトによると「日本舞踊・殺陣・和楽器といった伝統的な芸能と、ダンス・バイオリンなどの西洋文化が出会い、化学反応を起こす」グループ。
次から次へといろんな演目を見せてくれて、マジで盛り上げ上手のエンターテイナー。函館では見られない、「レトロの皮をかぶった新しい形の演芸」を見せつけてくれます。ホント楽しい。
井戸端 THEATER @idobatatheater の皆さんの演奏&演技、本当に楽しかった。
迫力の殺陣芝居、太鼓と三味線の演奏、そして井戸端 THEATERによる歌・演奏・舞踊で会場のボルテージを高めていき、上がり切ったところで花火がドン。会場内の盛り上がりはマジですごかった。 #函館新花火 pic.twitter.com/ootwY7v1Mq
— 函館イベント情報局 編集長 (@hakoeve_info) September 1, 2025
18:00から始まったショータイムも、3組のショーが終わったところで19:30の打ち上げ時刻直前に。
レベルの高いショーを見せつけられて、会場のボルテージは上がりっぱなし。
事前のインタビューで、主催者代表から聞いていました。
『花火の前から会場が「わっ」と沸き立つようなエンタメを楽しんで、そのテンションのままドン。お年寄りも子どもも思わず立ち上がるような、昔ながらの祭りの一体感をエンターテインメントとして実現したいんです』と。
まさに打ち上げ直前の会場は、爆発寸前の火山のように沸き立った状態。みんなの期待感が集まって渦になり、今にも店に上っていきそうなくらい。
そして、興奮しっぱなしの花火
井戸端シアターの皆さんのカウントダウンに合わせて、ついに目の前で花火が打ち上がりました。
と言うより、視界がすべて光に包まれたと表現したほうが正しいかも。
花火が近い・デカい・そしてワイド。自慢するわけでもマウントを取るわけでもありませんが、この花火を見た瞬間、「これは緑の島で見ないとダメな花火だ」と思いました。
仕方を覆いつくす光の線と、頭の上に覆いかぶさるように開く花火。その迫力と臨場感は、緑の島の外から見たのでは伝わらないもの。緑の島で見る人に一番きれいに見えるよう構成されているからこそ、有料なんだなと感じました。
早い者勝ちで場所取りをする必要もないし、トイレは混まないし、花火は自分たちに向けて上がるし、有料なだけのことはあります。
最初から最後まで圧巻の花火で、終わった後には会場から自然に歓声と拍手が沸き起こっていました。
函館新花火は「短かった」のか
これは、「短い」とも言えるし、「全然短くない」とも言えます。
まず、花火の数は3300発。これは湯の川温泉花火大会と同じ。函館新聞社の花火大会は打ち上げ数非公表ですが、やはり同程度と言われています。
なので、「お金がないから短かった」のではなく、間延びさせずに一気に打ち上げたから短かったというのが正しいです。
その分、花火の密度が濃く、会場内の満足度は高かったと思います。
むしろ長かったという考え方
いやいや、函館新花火は十分長かったよ、という考え方もあります。
函館新花火の「花火部分」は確かに15分弱しかありませんでしたが、ステージショーは18:00から始まっていました。
つまり、緑の島にいたお客さんにとっては、普段見られないお芝居やら演奏やら演芸やらを約1時間半楽しんで、めちゃくちゃ盛り上がったところで最後に15分間の花火で締めくくり、というトータル1時間45分のショーだったわけです。
少なくとも函館には今までなかった形態の花火大会、というより「花火付きのショー」であり、有料で席を販売するだけの価値は十分にあったと感じています。
なので、今年は外から見た人も、ぜひ来年は思い切って緑の島内から見てほしいと思います。
主催者は当初から「2026年が本番」と言っていたので、来年もあると思います! https://t.co/WByafndYYc— 函館イベント情報局 編集長 (@hakoeve_info) September 1, 2025
改善してほしい点
「函館新花火は2026年が本番」と主催者から聞いています。なので、改善を望む点も書いておきます。
- ショーの楽しさを全員で感じるため、全体的に客席をもう少しステージに近づけてほしい。
- 暗くなると特に、VIP席に誰でも立ち入りできてしまったのが問題あり。
- 緑の島内に出店が少なかった。簡単に外に出て買いに行ける場所ではないので、もう少し充実させてほしい。
- 主催者とは別のルートから、緑の島以外にも会場があるかのようにアナウンスされており、不統一の印象を与えた。
最後にネガティブな意見も書きましたが、全体的にはものすごく満足していますし、主催者・出演者・スタッフの皆さんに大変感謝しています。
また来年、よろしくお願いします!