函館の老舗洋食店「五島軒」が挑戦した新作塩ラーメン「五島めん」を初体験してきたので、その感動と驚きを余すところなくレポートします!
ていうか五島軒がラーメン?
まずはそこですよね。あのカレーと洋食の五島軒がなぜラーメンなのか。迷走してませんかと。
だって、想像できますか? 五島軒のコックさんが、フレンチのコック帽じゃなくて、ラーメン屋さんのハチマキ巻いて湯切りしてる姿を……。いや、多分してないと思いますけども。
とにもかくにも、食べてみないことには何も言えないぞということで、五稜郭タワーにある「函館カレーEXPRESS五稜郭タワー店」に突撃してきました!
いざ、「五島めん」とご対面!
席に着いて待つこと約10分。ついに噂の「五島めん」が目の前に降臨!
見た目は普通の塩ラーメンかな……? でも、なんかこう、オーラが違う気がします。
まずは、琥珀色に輝くスープから。一口すすると、おぉ……なるほど……そうきたか……
自分だけかもしれませんが、塩ラーメンってスープのひと口めで塩味がガツンとくるイメージありませんか? しょっぱくて、キリッとしてて、みたいな。
でも、この「五島めん」のスープは、全く違いました。口に運んだ瞬間、塩気よりも先に信じられないほどの旨みがふわーーーっと広がっていきます。後から、塩気がほんのり。これはちょっと出だしから期待できますよ。
メニューに書かれていたことと五島軒担当者さんの説明によると、スープのメインは自家製の鶏ブイヨンで、これは普段カレーやポタージュに使ってるものと全く同じもの。香味野菜を使わず丸鶏や鶏皮だけを使い、鶏本来の旨味を最大限に引き出しているそうです。
そこに、レトルトの「函館カレー中辛」にも使っている函館南茅部産の真昆布と、ビーフシチューにも使っているという七飯町産の「王様しいたけ」の旨みを加えたという贅沢の極み。
この旨さ、素材の良さと配合のバランスがなせる技なんでしょうね。
麺とチャーシューがまたスゴイ!
スープの衝撃から立ち直れないまま、麺をひと口。適度に歯ごたえがあり、しっかりと「食べている感」があります。
伝統的な函館塩ラーメンといえば細めのストレート麺ですが、「五島めん」ではスープがよく絡むよう、地元「日の出製麺」の太めのちぢれ玉子麺を採用したのだとか。
麺を食べながら、その合間にスープをレンゲで口に運んでいると、……あれ? さっきまであんなに主張してた旨みが、ちょっと奥に引っ込んだような……?
でも、旨みが消えたわけではなく、上品に、控えめに、でも確実にそこにいて、麺の味わいを引き立ててくれます。
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そして、そして、チャーシューですよ!
箸で持ち上げようとしたら……ずっしり重い!
「え? こんな重いチャーシュー、初めて見たんですけど!」って、心の中で叫びました。口に出していたかもしれません。
店頭にあった看板の写真で見たら、まあ大きいけどよく見かけるバラチャーシューなんですよ。ところが実際に箸で持ち上げると、……分厚い! 想像していた厚さの2倍から3倍はありますよ、これは。逆詐欺と言われかねないレベル。
「ブレゼ」と呼ばれるフレンチの手法で5~6時間かけて低温調理されたというこちらのチャーシュー。しっとり柔らかくて、噛むと肉の旨みがジュワーッと広がっていきます。
よくある「とろとろチャーシュー」とはまた違って、しっかり肉の食感もあるのに柔らかくて、それでいて脂っこさやしつこさはなくて、ほめるところしか見当たらないレベル。すごいモノに出会ってしまいました。
スープ、最後の最後まで旨すぎ問題
麺もチャーシューも堪能して、残ったスープを最後の一滴まで飲み干そうとしたところ……、おぉっ?
またやって来ました! 旨みのビッグウェーブ!
麺や具材と一緒に味わっていた時とはまた違って、スープだけをひたすら口に運んでいると、さっきまで控えめにしていた旨みがグググっと再び前面に出てきました!
でも、やっぱり上品なんです。そして、確かに鶏ベースであることは分かりますが、昆布やしいたけの要素がはっきりと突出して感じられるわけではなく、「何か分からないけど全体的にすごくうまい」としか表現できない味わい。
きっと、料理にとってそれが理想的なんでしょうね。
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そんな「五島めん」のお値段は
で、気になるお値段ですが、1杯1,650円! すごーい、やすーい! とはならないお値段です、正直。担当者さんによると、マスコミ関係者からは「インバウンド向けの価格設定なのか」という質問もあったそうです。
ただ、実はスープの原材料とチャーシューの豚肉だけでも結構な原価がかかっていて、それを計算するとどうしてもこのお値段になってしまうと打ち明けてくださいました。
五島軒の若山豪社長もXで「鶏ブイヨンは通常インドカレーやコーンポタージュに使用しているのですが、この大鍋一杯作っても一週間ぶんのラーメンスープしか取れません…ラーメンは大変だ」とのコメントと共にこの写真を載せていらっしゃいました(お借りしました。直リンクはこちら)
個人的には、「1,650円のラーメン」は高いと思いますが、「1,650円の五島めん」は、安くはないけどまあ分かるお値段だなと思いました。なぜなら、通常食べているラーメンと同じ土俵では比較できない、老舗洋食店ならではの技術が詰まった「作品」だから。
というのは私個人の感想ですが、「ラーメン」というジャンルの中で全国的に見てもすごいレベルなんじゃないかと感じたのは事実。全国のラーメンマニアやラーメン評論家の皆さんはぜひ函館に来て「五島めん」を食べて、評価してほしいなと思いました。
場所:五稜郭タワー2階
営業時間:11:00~15:30(L.O.15:00)
電話番号:0138-52-5811
「五島めん」提供期間:2025年2月15日(土)~4月15日(火)※1日20食限定
価格:単品1,650円、小ライス付き1,870円、イギリス風ミニカレー付き2,090円
公式ページ
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